J-PlatPatによる分類検索

2つの検索メニュー

J-PlatPatの特許・実用新案のメニューには「2.特許・実用新案テキスト検索」、「3.特許・実用新案分類検索」の2つの検索メニューがあります。テキスト検索は分類検索に比べて検索キー(用語)を直感的に選択できますので「2.特許・実用新案テキスト検索」の方を利用される方が多いのではないかと思います。また「2.特許・実用新案テキスト検索」ではFI、Fタームも入力できますので分類検索にも利用できそうですが分類検索については注意が必要です。

文献の蓄積範囲の違い

「2.特許・実用新案テキスト検索」ではテキストデータが存在する文献しかヒットしません。例えば公開特許公報については平成5年以降の文献しかヒットしません(画面右下の文献蓄積情報参照)。したがって分類(FI、Fターム)のみを入力して検索したとしてもテキストデータが存在しない文献は検索範囲から漏れてしまいます。実際にFI、Fタームをいくつか入力して検索してみたところ、FIについては平成5年以降の公開特許公報のみがヒットしました。またFタームについてはなぜか発行日が2000年以降の文献しかヒットしませんでした。

分類の階層の反映の有無

FI、Fタームには階層がありますが「2.特許・実用新案テキスト検索」ではFI、Fタームの階層が反映されないようです。例えばテーマコード4B059(フライパン、フライヤー)のFタームリストを見ますとAA02(少量調理用)は1ドット、AA03(平底浅鍋)は2ドットでAA02はAA03の上位の階層ですがFタームとして上位の4B059AA02を入力した場合よりも下位の4B059AA03を入力した場合の方が多くの文献がヒットします。上位のAA02で検索しても下位のAA03は検索対象から漏れています。またFIについてもA47J37/10(フライパン,蓋またはたれつけ具を含む)は1ドット、A47J37/10,301(特に卵の調理に適するフライパン)は2ドットでA47J37/10はA47J37/10,301の上位の階層ですがFIとして上位のA47J37/10を入力して検索しても下位のA47J37/10,301は検索対象から漏れています。なお日付の範囲指定のように「:」を使って「4B059AA02:4B059AA03」を入力することでAA02+AA03の範囲を、また「A47J37/10:A47J37/10,301」を入力することでA47J37/10+A47J37/10,301の範囲を検索対象とすることは可能ですが、このような階層を意識した入力をしないと下位の階層の文献が検索から洩れてしまうことになります。

検索メニューの選択

このようなことを考えますと「2.特許・実用新案テキスト検索」でFIやFタームを入力して検索を行うのは、スクリーニング数を絞るためにどうしてもFIやFタームとテキストを組み合わせた検索をしたいとか、平成5年よりも前の文献はあまり考慮しなくてよいというような事情がある場合に限定し、できるだけ「3.特許・実用新案分類検索」の方を使用するのがよいと思います。「3.特許・実用新案分類検索」ではFI,Fタームの階層も認識しますし、テキストデータが存在しない昭和以前の文献もヒットします。上記の4B059、AA02、AA03やA47J37/10、A47J37/10,301の例では明治時代の文献もヒットします。

FIやFタームはアルファベットと数字の羅列で直感的に意味を把握しにくいためテキスト検索と比べると若干ハードルが高い面もありますが、検索時間の一部をFタームリストやFIハンドブックの参照にあて、適当なFIやFタームが存在する場合には「3.特許・実用新案分類検索」の方で分類検索を行うことで先行技術文献調査の精度向上が期待できます。